未経験からフリーランスエンジニアになれるのか。可能だがやめた方が良いと思う理由3選。

こんにちは。中村です。突然ですが私は現役のエンジニアです。実務経験は4年(学生の頃も合わせると8年)くらいが経とうとしているぐらいの、そこそこな業界人です。

最近は未経験からITエンジニアへ転職しようとする方が多いようです。SNSなんかでも散見するようになってきました。私個人の感想ですが、この流れは非常に良いものだと思っています。エンジニアはこれからも必要になっていく存在ですし、何より面白いですからね。少しでも多くの人がプログラミングの魅力に気づいてくれれば、とても嬉しいです。

一方で「給料アップ」「自由な働き方」「時間や場所にとらわれない」「未経験からフリーランスエンジニア」というメリットにあこがれてこの業界に参入してくる方もいるようです。しかし、私が思うにそれはかなり現実味のない話だと思います。ここでは上記の内容がどのように現実的ではないかを述べて行こうと思います。

「給料アップ」は人によっては達成できる。

まずは給料についてです。よく「ITエンジニアに転職したら給料が上がった!」という話を聞いたことがあるかと思います。この「給料が上がった」というパターンは主に2種類が考えられます。

  • 前職の給料が低すぎたせいで、給料が上がったように錯覚するパターン
  • フリーランスとして仕事を始めたパターン

1つずつ解説していきましょう。

前職の給料が低すぎたせいで、給料が上がったように錯覚するパターン

これは想像しやすいと思います。前職がかなりブラックだったとか、歩合制の営業でほとんど成果が出せていなかったとか、そういうパターンですね。未経験のITエンジニアがもらう給料は、もちろん会社によって違いますが、大企業新卒のITエンジニア正社員の値を参考にすると、額面25万円くらいはもらえます。ここで前職と大きく差がついて「給料が上がった!」となるわけです。未経験分野への転職の場合、給料は下がることが一般的ですから、割とレアなパターンではないかな、と思います。

フリーランスとして仕事を始めたパターン

これはまた形態が違って理解されづらいかもしれません。フリーランスとはつまり「個人事業主」のことですね。自営業と同じだと考えていただいて差し支えありません。フリーランスの場合、雇用が不安定であることや正社員のように雇用が保証されていない観点から、1か月あたりの賃金が高く設定されています。1か月フルタイムで働くと、50~70万円もらえたりするようです。

この額面を見て「給料が上がった!」と思ってしまうのが、2つめのパターンです。もちろんこの額面から所得税、社会保険料などのもろもろの税金を自分で収めて、残った分が手取りになりますから、手取りは30万円程度ではないでしょうか。

これだけだと良く見えますが、先ほどもお話したようにフリーランスは自営業です。仕事が見つからなければ、お金を稼げない月も出てきます。また自営業の税金は、正社員よりたくさん引かれるので、そういったところも注意が必要です。

上記のようなことが原因で「給料が上がった!」と言われることが多いようです。あなたのキャリアプランの場合、給料は上がりそうでしょうか?確認してすることをおすすめします。

自由な働き方、時間や場所にとらわれない働き方はフリーランスにならないと難しい

自由な働き方ができる、時間や場所にとらわれない働き方ができる、というのも良く聞くセリフです。こちらも、フリーランスエンジニアであれば半分合っています。(理由は後述します)ですが、ITエンジニアの正社員や派遣社員として就職した場合は、普通に1日8時間仕事をすることになりますので、自由な働き方ができるかと言われるとちょっと「うーん」となってしまいます。

パソコン1つあれば仕事ができることは確かなので、ベンチャー企業をはじめとするIT企業では、フレックス制や在宅勤務などが広がっていることも事実です。どの程度自分の望んだ働き方ができるかは、入社した会社次第になるのではと思います。

さて、先ほど説明を省いた「フリーランスエンジニアであれば半分合っている」について説明していきます。まずフリーランスエンジニアとして現場にアサインされる場合。多くの場合は1か月に働く時間が決まっている契約になるので、自由度は正社員や派遣社員と同じになります。アサインされた現場の会社次第で、普通に8時間働くか、ある程度自由な働き方になるかが決まってきます。

またフリーランスエンジニアとして業務委託された場合。この場合は非常に自由な働き方が可能になります。与えられた仕事を与えられた日までに完了すればよいので、いつどこで仕事をやろうが自由です。結果を出してもらえればOKというわけですね。

ただ、上記って当たり前といえば当たり前な話ではあります。先ほども申し上げたようにフリーランスエンジニアは自営業です。自営業の人がいつどこで仕事をするかは基本的に自由なわけです。お店を経営しているような自営業と違い、エンジニアはパソコンがあればいつでもどこでも仕事ができるので、そういった意味でより自由度に拍車がかかっているとは思いますが、基本的にはエンジニアだから自由なのではなく、フリーランス=自営業だから自由なのだ、という理解が正しいと私は思っています。

未経験からフリーランスエンジニアになることは簡単。ただし継続が難しい。

ここまでご覧いただいた方は、「なんだ、じゃあフリーランスエンジニアを目指せば良いんだ」と思う人が多いかもしれません。それはおっしゃる通りだと思います。私も将来的にはフリーランスになりたいなぁ、なんて思っています。しかし未経験でフリーランスになることは正直おすすめしません。

フリーランスになるには少なくとも下記2つの準備が必要だと私は考えています。

  • 1人でも仕事を回せるようなプログラミング(要件定義、設計、開発、テスト、リリース、保守)能力
  • 継続的に仕事をもらえるような顧客や営業方法の確立

未経験エンジニアの場合ですと「おれはなんでもできる!」と思ってしまいがちですが、未経験で上記の2つの準備ができている人はたぶんいません。やはり独立の前に実務経験が必要では、と思ってしまいます。

未経験からフリーランスになること自体はそう難しくはないです。個人事業主の届け出を役所に提出すれば、それだけでフリーランスになれるからです。そこに特別な資格なんかもいりません。

ただしフリーランスになった瞬間からおそらく次の不安に見舞われることになると思います。

  • 仕事は回せるんだろうか
  • そもそも仕事を受注することはできるだろうか
  • 今月はなんとかなったとして来月は大丈夫だろうか

フリーランスになり立ての頃は、もしかしたら仕事を振ってくれる人がいるかもしれません。しかし、そこで顧客の期待に応えられなければ、二度とその顧客から仕事は受注できないでしょう。そういったプレッシャーをこの先定年まで続けていくような覚悟が、フリーランスには必要になってくるのです。

未経験の人がIT業界に参入すること自体はとても良いことだと思います。まずは趣味から始めてみるのはいかがでしょうか。

ここまで主に「未経験からフリーランスエンジニア」になることについて個人の見解を述べてきました。

一つだけ誤解しないでいただきたいのは、私自身は「未経験でもITの業界に参入してくるのはあり」だと思っていることです。

巷では「未経験からIT業界に来るなんてなめている!」なんて言う人もいます。しかし誰だって最初は未経験なのだから、そんなこと言っても仕方ないんじゃないかなと私は思っています。

何よりプログラミングは楽しいですし、できることの幅は広がりますので、勉強しておいて損はしません。

まずは趣味から始めてみて、肌に合いそうであれば転職を考える。転職先は正社員などを狙う。就職できたら実務経験を積み、仕事内容が分かってきたらフリーランスへ。と着実に歩むのはいかがでしょうか。

ここまでお読みいただき、ありがとうございました。

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管理人は新卒で入った大手子会社を2年で辞め、ベンチャー企業に転職しました。本ブログは「より良い人生にするために、どのように転職すれば良いか」をテーマに記事を執筆しています。最終的にはブログでかき集めた考察を一つにまとめ「天職に転職するための教科書」にしたいと思っています。 最新情報は下記をチェックしてください。

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